図書委員のおススメ本紹介 (図書館だより 令和4年 梅雨号 より)
『聲の形』(大今良時著) K.J
聴覚の障害によっていじめられていた過去を持つ少女と、少女をいじめていた過去を持つ主人公のお話。お互いに上手くコミュニケーションがとれないせいで、一度はぶつかって離れていってしまうが、ひょんなことから主人公は少女の優しさに気が付きもう一度会おうとする。「伝える」ことの大切さと難しさ、友情とは何か、などたくさんのことを考えさせられるお話。
『探偵はもう死んでいる』(二語十著) K.U
私がおススメする本は「探偵はもう死んでいる」です。この本は主人公であり、巻き込まれ体質である君塚君彦が、飛行機でハイジャックにあって、そのハイジャック犯が探している探偵が、隣りに座っていたシエスタという自称探偵から突然、探偵の助手を任命され二人でいろんな事件を解いていく話です。この本は巻数が進むにつれておもしろくなるのでおススメです。ぜひ読んでみてください。
『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬著) J.S
私は、本屋大賞を受賞した本は必ず読むようにしています。何故なら本屋大賞に選ばれた本はどれも非常に読み易く、それでいて非常に考えさせられるものを含んでいるからです。さて、今回選ばれたこの本も例に漏れず私の価値観、ものの考え方に大きな影響を与えてくれました。あなたにもこの本から多くのことを受け取って欲しいし、機会があれば意見を交わしたい、とそう思ったのでこの本をおススメします。
ではこの本の主題は何だったのかというとそれは「戦時下における女性について」だと私はおもいました。物語の中心になるのは狙撃兵になった少女なのですが、筆者が本当に読者に届けたかったのは「果敢に戦争に立ち向かう少女の狙撃兵の姿」ではなく「戦場に降り立った少女の目から見た戦争の姿」であったように思われます。そしてその視点は男性である私には無いものでした。そんな訳で、私はこの本に大きな影響を受けたのです。ですが、一人で読んで、1人で考えても他の人と交流しないと本当の意味では深まらないと思うのです。ですから、読んだことのある方、この文章を見て読んでくださった方は、是非とも声を掛けてください。共に語り合うことができるのを楽しみにしています。